百歳を過ぎてからの母は、
朝の目覚めの時にちょっと着地を間違えると、機嫌の良くないことがたま~にですがありました。
気持ちよく目覚めたのだけれど、ついまたウトウトしてしまい深い眠りに入った場合、
起こすと機嫌が良くなかったですね。
毎朝ヘルパーさんが来られるので、その時間には起きていてほしいですから、
そして母はヘルパーさんとの会話を楽しみにしていましたし、一緒に歌ったりもしていましたから、
ヘルパーさんとの時間を心待ちにしていたのですよ。
でも、寝起きが良くないときには、ヘルパーさんへの拒否がありました。
「私は今日は着替えはしません。あちらを向いてとかこちらを向いてとか、そんな気分ではないのよ~」
尖った顔をしてこのように言うのです。
このような時には手早く用事を済ませて終わりにしていました。
そして、ヘルパーさんが帰られた後、大きな音でお箏のCDをかけるのです。
母は、始めの1分くらいはキョトンとしていますが、
すぐにその曲に気が付いて真剣な面持ちになり、段々と穏やかな、いつもの顔に変化していきます。
CDの曲が全部終わって、50分くらいでしょうか、母に声をかけると笑顔で応じてくれるのですよ。
いつも通りの母になっています。
音楽ってすご~い!
母は筝曲の「六段の曲」が好きでしたから、このCDは3枚あります。
かけすぎてCDに傷がついたり、
表面に異常はないけれど、同じところに来ると引っかかるといった具合だったり、
毎日のようにお箏のCDをかけ
これらのCDには本当にお世話になりました。
「六段の曲」以外にも母は好きな曲がたくさんあるようでしたね。
毎日来ていただいたヘルパーさんを、最後の一年は週に3回にしたので、
ヘルパーさんが来ない日の着替えなどを私がしました。
着替え、おむつ替え、全身のマッサージなどを、午前中の一時間をかけてやりましたから、
その時にも、音楽が鳴り響いていましたよ~
私の好みの音楽を大音量でかけていました。
母はこの音楽にも耳を傾け、聴いていましたね~
バッハの曲が多かったように思いますが、母は楽しんで聴いていましたよ。
介護のサイトに書いてあります。
音楽は認知症に効果があるそうです。
私はまだ認知症ではないと自分では思っていますが、
音楽が流れてくると身体が反応しますね~
好みの曲だったら、心まで動かされてしまいます。
認知症に効果があるから、母にお箏のCDを聴かせたわけではありません。
母は音楽が好きで、お箏の曲も好きだったのでCDを買い、
母にたくさんの筝曲を聴かせていたのです。
母は最期までボケは少ない方だったと思いますが、
これも音楽のおかげかしら・・・と最近思ったりします。
音楽療法などという言葉に興味はありませんでしたが、
音楽療法という言葉が、最近気になっています。
これは母が刺繍した袋です。せっかくだからこれから使うようにします。
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